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勝浦の日戻りカツオ

日戻りのカツオ。勝浦が「その日のうち」にこだわる理由

2026.08.09 ・ 文:KOTOHARE編集部 ・ 涼しい町の、熱いめし。

カツオという魚は、獲ってからの時間がそのまま味になる。

勝浦のカツオが評価されるのは、まさにその一点においてである。小型船の漁業者がひき縄漁で一尾ずつ釣り上げ、漁獲したその日のうちに水揚げする。だから「日戻りカツオ」と呼ばれる。獲ってすぐに冷却されるため、身は透明感のある肉色を保ち、食感はもっちりとしている。初夏を思わせるさわやかな旨みが特徴で、勝浦産ひき縄カツオは千葉ブランド水産物に認定されている。

江戸から続くカツオの港

勝浦地域は江戸時代からカツオ漁業の拠点だった。「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」と詠まれ、江戸っ子が女房を質に入れてでも食べたいと言われたあの初鰹の多くは、千葉で水揚げされたものだ。千葉県は旬の時期のカツオ水揚げ量が全国1位であり、勝浦漁港は国内有数の近海カツオ一本釣り漁業の水揚げ港である。

初鰹はフィリピン近海から黒潮に乗って北上し、青葉の頃に千葉県沖へ達する。港には県内外からの一本釣り漁船と、沿岸のひき縄漁船が集まる。

「1」と書かれた魚槽

勝浦漁港の競り場には、水揚げされたカツオを入れた魚槽(地元で「ダンベ」と呼ばれる)がびっしり並び、それぞれに1、2、3と番号が振られている。この数字は水揚げまでにかかった日数を表す。1と書かれた槽に入っているものが、最も鮮度の高いカツオだ。

鮮度が数字で可視化され、そのまま値段になる。日戻りにこだわる理由は、この一点に尽きる。

そしてこの港のカツオは、同じ町の酒とよく合う。勝浦の東灘醸造が造る「鳴海」は、直詰めの生酒を主力とする微発泡の酒だ。日本一涼しい夏の町で、冷えた微発泡の生酒と、その日に揚がったカツオを合わせる。それが勝浦のいちばん贅沢な食べ方だと思う。

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